5度目の命日


 今日は一が世を去ってから五年目の日でした。
 五年前と同じ金曜日なので、例年以上に感じるものがありました。
 当初、一は、10月22日の木曜日に世を去る予定にしていました。
 その真意はもちろん永遠にわかりません。
 ただ、自分としては、当時、パソコン教室が金曜が定休日だったので、没後の対応がやりやすいよう、木曜にしたのだろうか、と思っています。

 しかし結果として、その最初の自殺は失敗に終わり、一はそのまま就寝しました。
 そしてツイッターを見た父の電話を受けて、11時ころに彼の部屋に行った自分の窓を叩く音で目が覚めたわけです。
 眼鏡もかけずに窓にところに来た一に、自分は起こした事を謝るジェスチャーをしました。当然ながら、「やっぱり自殺などしているわけなかった」と安堵していました。
 自分が来たことを確認した一は、「10/22一度目の自殺失敗」「10/23兄訪れる」「二度目の自殺に挑む」というメモを残し、世を去りました。
 おそらくは、「ツイッターで自殺宣言をしたのに、それを心配した隆が来たときに生きていた」という事の理由を残された我々に伝えたかったのでしょう。
 最期の最期まで、家族に気を遣う人柄だったんだな、と思っています。

 また、その「一度目の自殺失敗」により、一が生涯最期に見た人間は自分になったわけです。
 もちろん、その時点で阻止できればよかったのでしょうが、何度も書いているように、これは、自分には無理な事でした。
 それだけに、今となっては、「一が最期に会ったのが自分だった」という事を忘れないようにしようと思っています。

 さて、この五回目の命日は、お父さんと二人でお墓参りに行きました。
 あいにくの雨なので長居はできませんでした。
 終わったあとは、二人で食事をしながら、一の人生観について語ったりしました。
 また、初めて聞いた、中学校時代の「学校脱走」の話を聞いたりもしました。
 当時、同じ部屋で生活していたのですが、自分の事にかまけ、一の事を全然わかっていなかったんだな、と思ったりもしました。